屋根裏話。瓦ってどうやって留めているの?
一昨年の年末に本宅家を建て始め一段落したあと、離れの倉庫の屋根工事に掛からせてもらっているT様邸。
どうですかこの大きな家ヾ(@°▽°@)ノ。奥側に見えている建物が母屋になってもおかしくありません。
家もスッキリ数寄屋風で性格がこってりな私にはバランスも取れて好きな建方です。
しかし固定資産税のことばかり考えてしまう私は、やはり貧乏性でしょうか。
岡山県岡山市北区御津地内
さて、屋根瓦の留めつけはどのようにしているか聞いたことはありますか?!
最近、予想もしない大きな台風や竜巻に瓦を含めいろいろな資材が飛散しているテレビ映像をみます。
その瓦の留め付け方法や部材は時代と共に変わってきました。
昭和20年頃まで
①瓦の下に土を敷き土の粘着力で瓦をずれないようにする留め付け工法 (釘は全く使いません)
土を屋根に上げる手間がかかり過ぎ工法の簡略化に伴い衰退
一部地域では土を使用しているところもあります。
②セメント瓦の台頭とともに鉄釘が頻繁に使用される工法
鉄釘がサビ、そのサビで釘を抜けない状態に保たせる留め付け工法 が主流に!!
しかし、そのサビ膨張により、瓦の釘孔も破壊し雨漏れの原因になり衰退
③銅釘が使用される工法
鉄釘は腐蝕するため銅釘が使用される工法
しかし、銅釘は留め付けている木から浮き出てくるため衰退
(※銅釘が浮き出る。とは、イメージしにくいかもかもしれませんが、木との相性がわるく釘を打った孔が大きくなり釘が抜けでてくるのです)
④現在、主流となっている ステンレス釘が使用される工法
当然、腐ることもなくステンレスにドリルのような加工を施し抜けにくくしている材料
そこで問題。
下、写真はどちらもステンレス釘でドリル状になっていますが、
どちらかが打ちにくく、木に入りにくい釘の構造になっています。さて、どちらでしょうか。
(※長さは比較対照にしないでください)
正解は
上のステンレス釘です。単純にスクリュー状になっているだけでなく、釘の頭付近と先付近にはワッカ状の加工が施されています。
ここがポイントです。同じステンレスのスクリュー状になっている釘でも入りにくい釘と入りやすい釘がある。
逆に唱えると抜けにくい釘ともいえます。
専門的になりますが、物を引っ張りあげる力の試験方法として『引き抜き強度試験:kN』が試験されます。
その結果では
上の釘の方が約1.4倍抜けにくいデータが得られました。
どちらの釘を使っても基準は満たしていますが、どちらの釘を使ってもらいたいですか?と、いうことです。
お客様にとってわかにくく判断されにくい箇所ですが、品質重視の我が社は、上のステンレス釘を3年前から使用しています。
一つ一つの極みが品質をあげていくことは、トヨタ問題でも証明されました。
一つの安心目安として家を建てる際には釘を『しれぇぇ~』っと、視てください。
そして、ワッカ状になっていない釘を使用している屋根屋であれば、
迷わず
「らせん状の釘を使ってください」
と、お願いしてください。
それは家を建てられる方の権利です。