銅板樋に関する謎
夏の風物、高校野球も残す所3試合、準決勝・決勝になりました。今年は9回の攻防での逆転ゲームが例年になく多く見応えがありました。球児の姿勢は私達に日々ひたむきに過ごすことの大切さを教えてくれている気がします。
さて、建築及び屋根・板金・樋の仕事に携わる方なら下の写真を視てど思われますか?
これは30台半ばの方の家、築8年で日本家屋の造りにこだわった立派な家です。軒先は銅板の樋が架かり随所にこだわりが伺えます。
銅板納めの良いところは、最初は銅の色がけばけばしく『ピカーン』と、光っていますが経年変化による酸化の過程の中で自然の風合い緑青(ろくしょう)と呼ばれる青緑色の錆を形成し家の落ち着きを表現してくれます。
緑青色屋根
しかし、今回の樋に現れている緑青色は上記写真のようにまんべんに現れる現れ方と違い斑点のように部分的に現れています。
「おかしい」と、思い調べてみると・・・
原因ありました。通常、雨水から流れるマスと家庭排水から出されたマスは別のマスを設け流すことになっています。それは生活排水からでる色々な化学物質を含んだ水が決められた排水処理をされるためです。しかし今回は同じマスで受けているため、生活排水に含まれているアンモニアなどの揮発性の物質が雨水を流れる配管を伝い樋を腐蝕させることになっているようです。このことは設備の規定に定められ設計・管理をする者の瑕疵 に関わる重大問題です。
今回、依頼を受けたお施主様のお宅は別件で伺っていたためこの点に触れて説明をするべきか迷いました。
新築時、夢を持って建てられた家にどのような想いで仕事をしていかなければいけないか。考えさせられた1件でした。